第40話おはよ?お兄ちゃん…
ピンポーン♪ピンポーン♪
「んー…」
水瀬さんから珈琲を頂いた次の日…朝から鳴らされるベルで目が覚めた。
「誰だよ…こんな朝に…ふぁ〜…」
俺はのそのそと玄関に向けて歩き扉を開けると…
「おはよ!お兄ちゃん!」
俺は扉を閉めた。そりゃ勢いよく。
「ふぅ…朝から刺激が強いものを見てしまったぜ」
とある動画アプリではその音源にはヤバいやつしか居ないらしい。
ゴリゴリのメイド…卵のような人間…それを知っていてあのセリフだったら…悪夢だ。
しかし、悪夢は諦めず今度は鍵を使って俺の家の中に入ってきた。
「もう!なにドア閉めてるの!」
「すまん…あまりに衝撃的で、許してくれ雫」
「ふっふーん♪そりゃこんな可愛い妹様を朝からお目にかかれるのだ感謝したまえ〜」
と、偉そうに言うのは俺の妹、和泉雫さんだ。
まぁ、俺とは歳が離れていて今は高校2年生、
そのため顔立ちは幼いが本当に同じ血が通ってるのかと疑いたくなるほどに雫の顔は整っており、髪型はワンカール風ミディアムボブで今はワンカール風内巻きブローをしていて、少し大人っぽく見える。
そんな妹は今日はシンプルに白のTシャツと足首が少し出てる青のロングスカートを身に付けておりバックは小さめで…うん。夏っぽくて可愛いと思うぞ。
「はぁ…とりあえず中に入れよ。インスタントのコーヒーぐらいなら入れてやろう」
「むむ…!何兄貴らしい事を…!」
「ふっ…優しい兄だろ?感謝しろよ」
「え、無理。まじぴえん」
「ぴえんって…意味分からん…」
「大丈夫。私もよく分かんないで使ってるから。こんなのは気分とノリで何とかなるし」
「そんなもんか」
「そんなもんだよ」
そんな会話をしながら俺はお湯を沸かしコーヒーを雫に手渡した。
「ありがとお兄ぃ。気が利くのぉ…」
「どこのおばあちゃんだよ…んで、急に来て何の用だよ?」
と、俺が聞くと…
「あ、そうそう。お母さんがね、たまには顔を出せって伝えろってさ」
「うげ…マジで?」
「マジマジ。もーさ、たまには連絡してあげなよ」
「あ〜…すまん。仕事が忙しくてさ」
「まぁ、お兄ぃは社会人だしね。しょうがないか」
と、2人でのんびりコーヒーを楽しんでいると…ふと、雫が聞いてきた。
「あ、そう言えばさ」
「ん?」
「彼女とか出来た?」
「いや、出来てないな」
「そっか。つまんないの」
「おい…」
「あはは!まぁ、分かってたけどね!こんなお兄ぃに彼女なんて出来るわけないし〜!」
「うわ〜酷い言い草だ〜。兄の心はダメージを負ったぞ〜」
「大丈夫!もし、結婚出来なくても私はそばに居るよ!…多分!」
「多分かよ。はぁ…妹にまで結婚を心配される兄とは一体…」
と、嘆いていると…
「…それに出来たとしてもちゃんと私が見極めるし」
と、雫は何かボソボソと言ったが聞こえなかった。
「ん?何か言ったか?」
「なーんにも!それより!ご飯食べに行かない?今日休みでしょ?」
と、可愛く首を傾げながら聞いてくる妹様。
「まぁ…確かに休みだけど…」
そう、一応3日間は休みを取って居たので今日まで仕事は休みなのだ。
「私…美味しいのが食べたいなぁ〜」
「はぁ…分かったよ美味しいの食べに行こうか」
「やったぁ!お兄ぃ大好き!」
と、言うが…
「こういう時にしか言ってくれないんだもんな〜…現金な奴め」
「え、シスコンですか?…キモ」
「うっ…その言葉は何よりもの凶器です」
「あはは!嘘嘘!兄弟仲良くしようぜ!兄貴!」
「なんだそのキャラ…キモ」
「おぅ…確かにダメージが来るね。じゃあ、普通にデートしよ?お兄ぃ?」
「妹とデートする兄貴って…」
「気にしない、気にしない!さぁ、早く行こ!」
「はいはい…」
そう言い俺は妹様に連れ出され外に向かうのだった。
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