第945話 命の代償
神様、ねえ。助けてよ……。
弟を助けてよ……。
弟は交通事故に巻き込まれ、意識不明の重体だ。意識がもう一週間戻らない。まさか一生このままなのではないか。そんな嫌な予感すらも覚えてしまう。
「弟を助けたいか?」
「だ、誰!?」
「私は神だ」
「神様!?」
「お前の弟は助からない」
「そんなっ……」
「だが代わりにお前の命を捧げるというならば、弟は助けてやろう」
「私の命……」
弟は頭が良かった。将来は医者になって多くの人を救うんだって勉強を頑張っていた。私なんかよりも余程、立派な人間だ。だったら弟が医者になって多くの人を救ってくれた方が世の中の為になる。私は決意した。
「お願いします。私はどうなってもいい。弟を助けてください」
「お前の覚悟受け取った。助けてやろう」
弟は生き返った。私は死んだかと思ったが、生きていた。
「姉弟仲良く暮らせ。達者でな」
そう言って神様の声は消えた。
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