Akiyu短編集～千物語～

第901話 ５０時

忙しい。一日が五十時間くらいあればいいのになんて思いながら仕事の調べ物をしていると、ふとニュース記事が目に飛び込んできた。

明日から一日が五十時間になります。原因不明の太陽系の異常により、夜が来るのが遅くなります。その影響で一日は五十時間となります。これは歴史の大きな転換期になります。

「なんだって！？一日が五十時間！？やった！！」

俺は歓喜した。一日が五十時間もあれば何をしよう。あれをしてこれをして、それからあれをして。やる事が沢山ある俺にとって使える時間が増えるのは、ありがたい。

喜んだのは束の間、しかし現実は違った。結局、身体は二十四時間しか活動できないし、昼寝が必要になった。むしろ一日五十時間というのは、ややこしいことこの上なかった。一度長い時間寝てもまだ二十四時間。半日の計算だ。そして誕生日やクリスマスも人生で半分の回数しか楽しめない。やっぱり一日は二十四時間が良い。