第887話 梅雨ブライド
どうしてわざわざこんなジメジメとした嫌な時期に結婚式をあげるのが良いのか。俺には理解ができなかった。どうせなら春の桜が舞い散る時期のスプリングブライドにでもした方が良かったんじゃないか。
友人の結婚式に出席しながら、俺はそんな事を考える。
しかも外でやるなんて……。
アイツは一体何を考えているんだ。
せっかく来てくれた招待客が皆、濡れてしまうぞ。
招待客である俺達は、傘を差して外でいる。
「お前に俺の綺麗な最高の花嫁を見せてやる」
そんな事を自信満々に言う友人だったが、これでは二人の門出もあまり良いものにならなさそうだ。
新郎新婦が歩いてきた。新郎も新婦も傘を差していた。そしてその傘を上に放り投げた。傘が空中を舞う。何やってるんだ。濡れるぞ。そう思ったのもつかの間、新郎新婦の衣装の色が鮮やかな色へと変化した。雨に濡れて変化する仕掛けだった。
凄い。俺は二人に見惚れてしまった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます