第859話 嘘つきな俺

「いやー、参っちゃうよね。彼女の好きなタイプはどんな人?って聞いたらさ、身長が高い人がタイプっていうんだ。それでどくらい高ければいいの?って聞いたら2メートルは欲しいねって言うんだ」


もちろんこれは嘘だ。俺はお笑い芸人をしている。嘘をついて大袈裟に話す事で人を笑わせているのだ。だから俺は、今日も嘘をつく。

ある日の事だった。番組の企画で嘘つきを当てるゲームだ。


俺は言うならば嘘つきのプロだ。嘘ばかり言って人を笑わせてきている。だからこの企画には、ピッタリな人材だと言える。


「さあこの嘘発見器を付けてください」


嘘発見器を脈に取り付けた。そして質問される事、全てに嘘をつき続けた。

しかし俺の嘘発見器は、全く反応しなかった。故障じゃなかった。

コイツは平気で嘘をつく最低な人間だ。番組終了後、批判が殺到した。

だが俺は反論した。皆を笑わせるのが俺の仕事だ。俺は人の為に嘘をついていると。

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