第848話 四万円切手

ハガキなんて出すのは何年ぶりだろう。

私は車が当たるという懸賞に応募する為、久しぶりに切手を買う事にした。近くの郵便局に行った。


「すみません。切手下さい」

「今ね、普通の切手?特殊なやつ?」

「なんですか?特殊なやつって」

「四万円切手ってのがあるんだけどね」

「よ、四万円!?それは何に使う切手なんですか?」

「そうだね。大事な手紙を出す人は、必ずこの切手を買っていくよ」

「いやー、普通のでいいです。車が当たるって懸賞に出すだけだから」

「ほうー。なら四万円切手の方がいいね。懸賞に四万円切手貼るとよく当たるんだよ」

「えー、ほんとに?」

「うん。この間も感謝されたんだから。うちでしか扱ってない特別な切手なんだよ」


そう言われ、私は四万円という大金を出して四万円切手を買った。そして車が当たった。


「ほ、本当に当たってしまった」


元は取れた。四万円切手、皆も買ってみてはどうだろうか?

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