第667話 氷上のプロポーズ

「女子フィギュアスケート。ファイナルグランプリ。優勝は高坂美里。……おっと、誰かがリンクを滑って来ているぞ。どうしたことか」


テレビに映っている友人、三島孝弘を見て俺はエールを送る。


「いけ、孝弘!!頑張れ!!」


「拙い滑りで高坂美里に近づいていきます。これはどういう事でしょう」


テレビカメラと実況が状況を伝える。


「高坂美里が驚いた表情をしています。あっ、男性がリンクに膝をつきました。そして彼女の方に指輪を出しています。これは!!こ、公開プロポーズだー!!」

「よし、いいぞ!!孝弘!!」

「高坂美里。泣いています。そしてその指輪を……受け取ったー!!そして男性が高坂美里を抱きしめました。これは凄い事になりました。とんでもないサプライズプロポーズです。氷上のプロポーズだー!!ファイナルグランプリ、感動の演技の後での感動のプロポーズ」


氷上のプロポーズは、新聞の一面を飾った。

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