「マンホールの中ってどうなってるの？」

幼い子供から質問された。私はふざけてこう答えた。

「マンホールの中はね。秘密のトンネルになってて、色んな場所に繋がってるんだ」

「凄いや！！マンホールの中に入りたい」

目を輝かせながら言う子供に、更に面白がって言う。

「魔法を使える世界に行けたりするんだよ」

「えー！！魔法！？僕も魔法使いになりたいな！！僕マンホールの中に入る！！」

そう言うと、子供はマンホールの蓋を開けた。

「ちょ、ちょっと待って」

「どうしたの？」

「きゅ、急に行ったら魔法使いさん達もビックリするだろ？連絡してからじゃないと」

「じゃあ連絡して」

「そ、それは……。魔法使いさんも忙しいから、しばらくは無理だよ」

「じゃあ直接行くしかないじゃん！！」

子供はマンホールの蓋を開けた。そして中に入っていった。私は慌てて追いかけると、その先には魔法の世界が広がっていた。

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。（ログインが必要です）

新規登録で充実の読書を

マイページ: 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる; 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める; フォローしたユーザーの活動を追える
通知: 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴: 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい