第606話 神無月眠理の事件簿~真犯人~

「鞄の中に入った血の付いたナイフ。犯行の動機、怪しいアリバイ。全てが出来過ぎている。まるで彼女を犯人に仕立て上げようとしているかのようだ。そうは思わんかね?」


鮮やかな水色のショートヘアーにアーモンドアイの瞳をした少女、神無月眠理は、現場で眠る事で事件を整理して推理する探偵である。


「ええ?犯人は別にいるのか?」


警察関係者は、驚きを隠せない。


「そうだ。私は眠りながら考えた。彼女が犯人だとして彼女の行動に疑問が残った点がある。なぜ今、金庫を開けたのかとね。別に今じゃなくてもチャンスはいくらでもあったはずだ。なぜなら彼女は被害者の妻なのだから。彼女を犯人に仕立て上げる事で得する人間。それがあなただ。運転手の矢島さん」

「な、何を馬鹿な」

「知っているんだろ?金庫の暗証番号。あなたが運転する車の中で被害者は彼女に電話越しに暗証番号を伝えた事があった。証拠もあるさ。あなたの車の中にね」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る