第554話 餅つき

今日は餅つきだ。お正月に向けて餅を作るのである。餅つき機の中に入れた餅米が、次第に餅の形になっていく。

そして出来た餅を一口サイズに切っていくが、今年の餅の粘り気は、なんだかいつもと違うようだ。分量もいつもどおりにしたはずなのにおかしい。この餅は、どこまで伸びるのだろうか。ふとそんな事を疑問に思い、外まで餅を運び出した。そして伸ばしてみた。どこまでも伸びてく。ついには重機の出番だ。クレーン車に餅をくっつけて、どこまで伸びるのか伸ばしてみる。クレーン車では限界がきた。だから古くなった消防車を借りてきた。梯子の先に餅をくっつけて伸ばしてみる。まだ伸びる。こうなったら意地だ。人類対餅の戦いだ。ついに宇宙ロケットを持ち出した。宇宙ロケットに乗せた餅の先は、ついに宇宙空間まで伸びていった。


そして――

それを見た宇宙人が美味しそうだと言って食べてしまった。これが人類と宇宙人の初めての出会いである。

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