第518話 鬼ヶ島たゆたう
かつて鬼ヶ島があった。そこは鬼の楽園であり、鬼達は毎日のように宴を開いてワイワイ騒いで楽しんでいた。朝から夜まで宴は続き、眠くなったら眠る。そして起きたらまた宴を開く。そんな生活をしていた。もちろんそんな生活が出来るのは、人間達から酒や食べ物、財宝を奪ってきたからである。
「今日も飲むぜ。歌うぜ!宴会だ」
「なんか地面が揺れてねぇか?」
「なんだ、お前。もう酔っぱらっちまったのか?」
鬼達は、この時気づいていなかった。自分達の置かれた状況に。
地面は本当に揺れていたのだ。地震だ。鬼達は自分が酒で酔ってフラフラになっているのだと思い込んでいた。
鬼ヶ島は、たゆたっているのである。
そしてやってきた。
ゴオオオ……。
物凄い地面の揺れ。
「ち、違うぞ。俺が酔ってるんじゃない。地面が揺れている。地震だ」
こうして桃太郎がやってくる前に、鬼達は全滅したのです。これが桃太郎の本当のお話。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます