第516話 やり残した事
今年もあと1カ月を切った。私には、この一年でやり残したことがある。それをやらなければ今年を締めくくる事はできない。
「あと1カ月だね」
「そうだね」
「今年のうちにやり残したことある?」
「……リハビリかな」
「えー。さっちゃん、頑張ってるじゃん」
そう。皆は、入院している私がリハビリをよく頑張っていると言ってくれる。だが私は、今年中に歩けるようになることを目標にしてリハビリを頑張ってきたんだ。思ったように動かない自分の足にイライラする日もあった。悔しくて涙を流す日もあった。私はこの一年、本当に頑張った。
「お嬢ちゃん。ワシが魔法をかけてやろう」
「誰!?」
「リハビリ神じゃよ。聞いた事ないか?」
「そんな神様、初めて聞きました」
「どれ。自分の足で行けるようにワシが魔法をかけてやろう」
私は、リハビリ神様に魔法をかけてもらい、クリスマスも初詣も自分の足で歩けるようになった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます