第428話 女風来坊
順風満帆な人生だ。大学を卒業して国語の教師になった。公務員だ。このまま教師として勤めて定年まで働く。10年働いた私の頭をふとよぎったのは、一度きりの人生これでいいのかという事だった。私は教師になりたかった訳ではない。公務員で安定した仕事だから教師になったのだ。これは本当に自分がやりたい事?
分からない。でも今のままでは違う気がする。
ならば探せばいいじゃないか――。
気が付けば私は、仕事を辞めていた。私は無職になった。貯金はそれなりにある。そうだ。旅に出よう。
私は自由になった。風の向くままに本当の私を探す旅に出た。旅先では色々な人に出会った。雑誌記者にインタビューされて、それが雑誌に載った事もあったな。確かそう。タイトルは……
気の向くままに。風の吹く方へ。女風来坊の明日。
女風来坊か。
……なんだかその響き、私らしいかもって思っちゃった。
私は自由を愛する女。女風来坊よ。
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