第426話 叔父さんは姪に好かれたい

可愛い……。

妹の子供。つまり俺にとっての姪だ。俺は独身で子供はいない。生まれつきの強面の顔で女性だけではなく、男性からもビビられている。だから結婚はおろか同性の友達も少ないのだ。姪にも顔のせいで、少し怖がられている気がする。

でも……

「姪に好かれたいんじゃぁあああ!!」

運転する車内で一人叫んだ。姪は2歳になる。「もしかしてヤクザなのでは?」と疑われる程の強面の俺だが、もちろんヤクザではない。実はただの子供好きである。しかし子供に懐かれた事はない。俺。叔父さんは、作戦を練った。

「その名も玩具をプレゼントして姪と仲良くなろう作戦だ!!」

そう。だから今、近所の玩具店に車を走らせ向かっているのである。玩具店に着いて、大きな犬のぬいぐるみを買った。帰ってきて翌日、姪にプレゼントした。

「叔父さん、ありがとう!!」

妹の後ろに隠れながら恥ずかしそうにお礼を言ってくれた。叔父さんは満足だ。

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