第417話 夢見る絵具

夢見る絵具。それは、色んな夢を叶える絵具だ。人生は白いキャンバスだ。そこに絵を描いてみよう。私は何者にでもなれる。人の一生を絵で例えるならば、そういう事になる。人生という名の紙があり、人生の時間が色鮮やかな絵具。人生の決断を筆に例えると、絵を描くという行為が人生を表すことになる。

私は絵を描く道を選んだ。物心がついた頃から絵を描くのが大好きだった。絵を描けば皆が上手いと褒めてくれた。それが嬉しくて、次はもっと上手い絵を描こうと思って、また絵を描いていく。初めは色鉛筆だった。黒い鉛筆で描いた母の絵。そこに肌色の色鉛筆で肌を塗り、服の色を塗っていく。

小学生になった時だった。初めて絵具を使った。家が汚れると困るからと母は、絵具を使った絵を描かせてくれなかったから絵具という存在自体を初めて知ったのだ。絵具は凄い。私はその魅力にハマり、もう80代のおばあちゃんになった。でもまだ描きたいんだよね。

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