第414話 向こうから何かが来る

駅前には、多くの人が歩いている。街の人がバラバラにそれぞれの目的の為に歩いている。だがそれは、突然だった。


「きゃあああああああ」


後ろから女性の悲鳴が聞こえた。


「うわぁああああああ。逃げろー!!」


更に後ろから男性の声が聞こえた。そしてその声を皮切りに、多くの人々の悲鳴とこっちへ逃げてくる人達。

私は思わず振り返った。顔色を変えた多くの人々が必死の形相で、こっちに逃げてきているのだ。


これは、ただ事ではない。


私も思わずつられて走り出した。何が来るのか分からないけど、きっととんでもない何かが来ているのだ。


どれくらい走っただろう。大勢の人達を走って追い抜いたり、追い抜かれたりしながら体力の限界になるまで走って走って走り続けた。


何だか分からないとんでもないものから逃げた。


「い、一体何だっていうの……?」


私は振り返った。

そこにいたのは――


私は全速力で逃げた。

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