第393話 アイデアが浮かばない

全然思い浮かばない。私は小説を書いている。今書いているのは、ミステリー小説だ。読者がゾッとするような殺人事件を書きたい。ずっと考え続けている。しかし何も思い浮かばず筆が止まっているのだ。


「ダメだ。気分転換に出かけよう」


私はパソコンの画面を閉じ、外に出る。道行く人とすれ違い様に、もしもこの中に連続殺人鬼がいたら、小説の取材が出来るのにな。そんな事を考えていた。夜になり、歩いていると廃墟ビルがあった。こういうところで殺人って起きるのよね。そして出会った。本物の殺人鬼に。鉄パイプで顔面を滅多打ちにして顔を潰していた。


「なるほど!!顔を潰して身元を特定できなくする!!良いですね。被害者の人に何か恨みが?怨恨での殺人ですか?是非、取材させてくださいよ。それでこの後は、どうするんです?」


殺人鬼は、突然の私の取材に快く答えてくれた。これは良い小説が書けそうだ。私は、満足して帰るのだった。

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