第356話 死神さんは、首を傾げる
目の前に現れた黒い服を着た少女は、自身を死神だと名乗った。
「死神って鎌とか持っててもっと骸骨みたいな怖い感じの化け物かと思ってた」
「それはお父さん」
「えっ、そうなの。新説だぁ」
「あなたは死にました。今から死後の世界へご案内します」
「おお、死後の世界!!やっぱりあるんだ!!私、信じてたんだぁ」
「……ふ、普通はこう……もっと泣きわめいたり取り乱したりするんですけどね。おかしいな。あなたみたいなタイプの魂は、見た事がない」
「だって死後の世界だよ!!見た事ない世界ってワクワクするじゃない!!」
「ワクワク……?あなたは若くして亡くなったのに、どうしてそんなに楽しそうなのですか。もっと現世でやり直したかった事とか後悔の気持ちがあるんじゃないですか?」
「ない。私、早く死にたかったから」
「でも死因は、自殺じゃないですね」
「だって自殺はいけない事でしょ?」
死神さんは、首を傾げた。
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