第330話 性癖

私の性癖は、かなり特殊だ。どこに行ってもついつい探してしまう。


良い感じのやつはないかと……。


友達と映画を見に行って劇場までの通路を歩いている時、壁に目がいった。


「あっ……!!たまらないなぁ……」


私は思わず声を出した。


「えっ?また見つけたの?」

「うん。見つけた。あの壁のあそこの染みとあそこの染み、それからあっちの染み。ね?」

「あー、はいはい。いいから行くよ」


私は映画よりもさっきの壁の染みが気になって仕方なかった。あの染みの点とあそこの染みの点を合わせて、あっちの点とも合わせたら……


「北斗七星になる!!」


で、あれとあれの点を合わせたら……


「オリオン座!!」


そう。私の性癖は、壁とかに付いた染みの点と点を合わせていって星座を作る事だ。上手く星が表現できると興奮するのだ。


友達は、私のこの特殊な性癖を星癖と呼んでいる。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る