第315話 お姫様ごっこ
昔からお姫様に憧れていた。物語の中に出てくるお姫様が大好きだ。お城で綺麗なドレスを着て素敵な王子様と出会い、ダンスする。美味しいご馳走を食べながら楽しい会話。欲しい物は何でも手に入る。好きなだけわがままを言っても許される。
「どうかお姫様になれますように」
私は流れ星にお願いした。すると星がまばゆく光り、妖精が私の部屋に現れた。
「本当にお姫様になりたい?」
「なりたい」
「じゃあお姫様ごっこしようよ」
「うん。やりたい」
私は妖精とお姫様ごっこをすることにした。妖精は、綺麗なドレスを用意してくれた。美味しいご馳走を出してくれた。王子様にも会わせてくれた。好きな物、望む事が何でも手に入った。最高だった。私は欲望のままに欲しいものを全て手に入れた。
しかし物足りないと感じるのは、どうしてだろう。欲しい物は全て手に入ったはずなのに、心が満たされない。悩みが欲しい。それが私の願い。
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