第306話 お茶好き弁護士、西園寺五郎
「うん、この独特の渋み。良いお茶ですね」
西園寺五郎は、お茶が好きだ。世界中のお茶を取り寄せて味わう事が趣味の弁護士だ。事務所のデスクに置いてある電話機から着信音が聞こえる。
「先生、痴漢の冤罪だという男性からの弁護の依頼です」
「ふむ……。痴漢の冤罪は、男性側が圧倒的に不利な内容になる事が多いです。かなり厳しい戦いになるかもしれませんね。分かりました。ティータイムは終わりのようですね。さて行きましょうか」
西園寺五郎は、依頼人の男性に会いに行った。
「先生、助けて下さい!!僕は本当に痴漢なんてやってないんです。僕は無実です」
「落ち着いてください。その当時の状況を順番にひとつずつ、ゆっくり教えてください」
お茶を愛し、常に心穏やかな弁護士、西園寺五郎。彼の最大の武器は、心のゆとりだ。心に余裕があれば突破口は、必ず開ける。それが彼の信条だ。ただしトイレが近い。それが彼の弱点だ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます