第294話 ペロリスト

周囲は厳重に警戒されていた。この日、アメリカ大統領が日本にやってきていた。沢山のボディーガード達によって大統領は守られている。どこへ行くのもゾロゾロと大群で移動する。外にいる時はもちろんの事、食事、トイレといった建物内を移動する時でも徹底されていた。日本滞在中、アメリカ大統領に万が一、何かがあってはならないからだ。


「しかし窮屈だ。私が要人である事は理解しているが、さすがにボディーガードの人数が多すぎやしないか?」

「いえ、これくらいは必要かと」


外を移動している時だった。突如、ビルが爆発した。ボディーガード達は大統領を囲んで奇襲に備えた。だが一人の男が大統領目掛けて走ってきた。そしてボディーガードの一瞬の隙をつき、大統領の顔を舌でぺろりと舐め回して逃げていった。


翌日の新聞には「アメリカ大統領、ぺろりと舐められる。ペロリスト出現か!?」と載っていた。大統領は気持ち悪かったと答えた。

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