第276話 激安ボロアパート

家賃月3000円。四畳半。トイレ風呂共用。激安だな。ここにするか。プロのミュージシャンを目指している金のない俺は、激安ボロアパートに入居する事になった。


「あんたラッキーだよ。良い物件見つけたね」


そう言ったのは、マンションの管理人のおじさんだった。


「ほんと助かるよ。3000円はありがたい」

「いや、そうじゃないよ。……まあそのうち分かるさ」


引っ越した初めての夜、寝ていると誰かが後ろの髪を引っ張っているような感覚がして目が覚めた。


「んんっ……。何だ?」


しかし結局何かなのか分からず、そのまま寝てしまった。

次の日の夜、寝ていると今度は足と手を誰かに引っ張られた。


「痛っ!!な、なんだ!?」


起きたがもちろん誰もいない。

翌日、俺は路上ライブをした。するとスカウトの人に声をかけられ、トントン拍子でプロデビューした。


そうか。あのアパート……。

座敷童がいるのか。

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