第267話 トイレの紙様
グーギュルルル……。腹が痛い。
この感じ、人生経験30年のベテランの俺になら分かる。これは一刻も早くトイレに行かなければ手遅れになる。ここから最短で行けるのは、スーパーのトイレ。スーパーに着き、真っ直ぐトイレに向かう。個室に入り、ギリギリのところで助かった。
「ふぅ……。危なかったぜ……。……ん?あっ!!紙がないじゃないか!!」
最悪だ。慌てていたものだから紙があるかどうかなんて考える余裕もなかった。
その時だった。
「紙取りましょうか?」
ドアの外から男性の声が聞こえてきた。
「はい!お願いします!」
俺は藁にもすがるような思いで頼んだ。
少し待つとトイレのドアをノックされる。
「どうぞ」
俺はドアを少しだけ開けてトイレットペーパーを受け取った。
「ありがとうございます」
そしてトイレットペーパーを使い終わり、外に出ると誰もいなかった。
ありがとう神様、いや、紙様。
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