第249話 瑠璃色のハンモック
亡きお父さんのお気に入りだった場所。それが庭に置いてある瑠璃色のハンモックだった。お父さんは、よく瑠璃色のハンモックに寝転んで本を読んでいた。私は、そんなお父さんによく「ご飯できたよ」と呼びに行った。するとお父さんは、瑠璃色のハンモックから降りてきて「今日のご飯は何?」と聞く。私はそれに対して「秘密。お楽しみ」と答えるとお父さんは笑いながら「ええー」と答える。そんな何気ない日常が楽しかった。お父さんは何でも知っていた。よく本を読む人だったから、色んな知識を持っていた。鳥の名前や花の名前、他にも歴史の話なんかもよく教えてくれた。でもお父さんは、料理だけは全然できなくて、だから料理はいつも私の担当だった。誰もいない瑠璃色のハンモックを眺めていた。瑠璃色のハンモックは風に揺れていて、なんだかお父さんが寝転んでいるように感じた。今度は私が、あの場所を自分のお気に入りの場所にするつもりだ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます