第228話 カレーなる一族

留学していたお兄ちゃんが帰ってくる。私達家族は、3年ぶりにお兄ちゃんに会える。


「敦、留学はどうだった?」


お父さんが聞く。


「まあまあかな。本場のインドは、日本とまた勝手が違ってさ。最初は色々苦労したよ」

「敦、今晩何か食べたいものはある?」


お母さんが聞いた。


「母さんの作ったカレーかな」

「まあ。あなた本当にカレーが好きなのね。カレー留学までして」

「うちは皆、カレー好きだろ?」

「おいおい。父さんの作ったカレーよりも母さんの作ったカレーがいいのか?」

「いや、父さんが作るカレーも美味いよ。でも父さんのカレーは、スパイスが効きすぎて辛いんだよ」

「何を言ってる。カレーは辛いから美味いんじゃないか」

「ねぇ。お兄ちゃん。私のカレーは?」

「お前のカレーは、まだまだ甘い。甘口のカレーだから大人の俺には合わないんだよ」

「えーー」


僕達家族は、皆それぞれこだわりのカレーを作る。

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