第174話 トイレに行けない

真夜中の事だった。


「ママー……ママー……おしっこ……」

「んんっ……うーん……一人で行けないの?怖い?」

「うん……行けないの……。あのね……トイレに行けないの……。凄く怖い……」


幼い娘がトイレに行けないと私を起こしに来たので、ついていってあげる事にした。眠い目をショボショボさせながら部屋を出て暗い廊下を歩く。


……って、あれ?

廊下、こんなに長かったっけ?


いつまで歩いてもトイレに辿り着けず、ずっと廊下が続くばかりだった。

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