第155話 良いところで終わる物語
そこに彼の姿はなかった。
振り返って後ろを向いたら音もなく消えていた。一体どこに行ったのだろう。
辺りを探してみるが見つからない。まるで神隠しにでもあったかのようだ。
一日中、彼を探し回った。他の友人達にも連絡して一緒に探してもらったが、結局彼は行方不明のまま見つからなかった。彼は思い詰めていた。
彼と一番仲の良かった友人が、いじめを苦に学校の教室で首を吊って自殺した。一人で抱え込み、辛く苦しんでいる事を知らなかった。
まさか彼も思い詰めて自殺した友人の後を追ったんじゃないか。そんな嫌な予感ばかりが頭をよぎる。一刻も早く彼を見つけ出して安心したい。
そんな思いで必死に彼を探し回った。彼の行きそうな場所に一カ所ピンときた。
自殺した友人のお墓だ。よく一人でお墓の前で手を合わせている。
私は自分の直感を信じてお墓へと向かった。そこに彼はいた。
彼は、右手に拳銃を持っていた。彼は私の方に向けて引き金に手をかけて…
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