第136話 ランドセル症候群

「ねぇ、あのおじさん」

「ほんとだ。ふふふ」


俺は女子高生達に指をさされながら笑われた。笑いたければ勝手に笑えばいい。俺はランドセルを背負っていた。

そしてそのまま会社に出勤する。


「部長。またですか……」

「ああ、もちろんだ」

「出た出た。部長のランドセル症候群。ほんと熱心なんだから」

「それじゃ会議を始めようか」


俺はランドセル開発会社の部長。

小学生の子供達にとって最高品質のランドセルを作る為、自らランドセルを背負って歩いて商品テストを行っている。背負った時の感覚や軽さをしっかりと自分で体験している。


「いいか。物作りってのはな、いちいち他人の目を気にしてちゃ良い物は作れない。お前らもやれ。明日からお前らも開発中のランドセルで出社しろ!!」

「ええー!?マジですか!?俺嫌ですよ!!」

「私も嫌ですー!!」

「文句言うな!!俺達の頑張りが未来の子供達の笑顔を作るんだ!」

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