第122話 神様、3度目の夏
私が神様になって3度目の夏がきた。私は昔、人間だった。川で溺れていた見知らぬ子供を助ける為、飛び込んだところ、子供は助かったが、私は急流に流されて溺れ死んだ。そんな私の生前の行いが善と評価され、神様として生きてみないかと言われたのが全ての始まりだった。神様の仕事は、いたってシンプルだった。善の行いをした者には幸運を、悪の行いをした者には報いを受けさせる。それが神様の仕事。
3度目の夏、川で溺れている子供がいた。そして親が子供を助ける為に、今まさに飛び込もうとしていた。この状況を見て、とても他人事だと思えない私だったが、神様は平等でなくてはならない。だから手出しする事ができない。善を助けてはならないなんて、何が神様だ。私は禁忌を犯して子供を助けた。そんな私は、神様に罰を受けた。
「禁忌を犯した罰として、お前は水の神になりなさい。これからも溺れそうな人を助けなさい」
私は水の神になった。
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