第118話 宿る権利

身長180センチ。体重62キロ。程良く筋肉があって中性的な顔立ちをしたアイドル並のイケメン。高学歴。


「お客様。こちらなんてどうでしょう?お客様のご希望に沿っていますし、とてもお買い得だと思いますよ」

「いやー、しかしこのスペックならお高いんでしょう?」

「そうですねぇ……。まあこれくらいですかね」


電卓を叩いた店員が画面を見せてくる。


「ああ、やっぱりそれなりにするね。でもイケメンという条件は譲れない。高学歴を外して、もう少しランクを落とした良い物件はあるかい?」

「ならこちらはどうでしょう?学歴は大した事ないですが、イケメンという条件はクリアしているかと。お値段もこれくらいまでお安くなっております」

「よし、決めた。これにするよ」

「毎度ありがとうございます」


俺は悪魔。人間の心の闇に寄生して生きる。


よし、このイケメンに宿って、女を泣かせまくってやる。


キヒヒヒヒ。

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