第108話 イケイケ圧力鍋
モテない僕は、ネットで有名な伝説のナンパ師、イケイケ圧力鍋先生のナンパ塾に通う事にした。料金は1回1万円。高い。だがこれで彼女ができるなら…。教室に行くと、なぜか圧力鍋が1つだけ置いてあった。人の姿はない。
「俺はイケイケ圧力鍋。煮る・蒸す・炊く。俺の手にかかれば何でも来いだ。まずは、煮る事から教えてやる。いいか?女ってのはな、じっくり煮る事が大事なんだ。最初はツンツンとした硬い食材みたいな真面目な女が相手でも、粘り強く時間をかけてじっくり攻めていけば煮えてきて次第に柔らかくなる。次は蒸す事を教えてやる。女ってのはな、場の雰囲気をとても大切にする生き物なんだ。だから情熱的で開放的な雰囲気になる夏のビーチ。蒸し暑い時こそチャンスだ。そこで攻めろ。これが女をナンパするスポットだ。そして炊く事だが――」
圧力鍋が喋って女の口説き方を教えてくれた。圧力鍋とは、ハンドルネームではなかった。
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