第104話 500円ベンチ

日課のジョギングの中間地点である公園まで走ってきた。自販機でスポーツドリンクを購入し、いつも座るベンチに腰かけようとしたら、ベンチに張り紙が貼ってあった。

500円ベンチ。1回500円。

そしてお金を入れる木箱が置いてあった。


「なんだこれは?」


公共施設である公園で、しかも座るだけで1回500円?

誰かのイタズラだろう。そう思い、当然お金なんて入れずにベンチに座って休憩していた。すると若いカップルがこっちに向かって歩いてきた。そしてあろうことか木箱の中に500円を入れた。


「すみません。隣良いですか?」


若い男がそう言ったので、俺はベンチの端っこに座った。


「あの…どうしてわざわざお金払ったんですか?」


俺は思わず聞いた。


「えっ!?知らないんですか!?まさかお金払わずに座ってますか?」

「はい」


カップルは悲鳴をあげて逃げていった。

一体何なんだ!?誰か教えてくれ!

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