第42話 美容室ボウズ

美容室ボウズ。


ここに入って髪を切ってもらった客は、必ず幸せになれるという。こんな俺なんかでも幸せになれるんだろうか…。入り口を眺めていると、男性客が出てきた。美容室ボウズから坊主頭の男が出てきた。勇気を出して、俺は美容室ボウズの入り口のドアを開けた。


「いらっしゃいませ。どうぞ」


私は席に座った。


「今日はどのような感じにしましょう?」

「あの……ここ初めて来たんですけど、ここは必ず幸せになれるって聞いて……」

「分りました。では切っていきますね」


唐突に髪を切り始めた美容師。髪を切りながら美容師と他愛もない話をした。しかしなぜか俺は、不思議と自分の罪を洗いざらい告白してしまった。


「はい、出来ました。坊主です。隣の建物に行って下さいね」

「ありがとうございました」


私は美容室ボウズの隣にある警察署へ自首しに行った。


もう一度、ゼロからやり直そう。

気持ちは清々しかった。

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