第4話エレニウム95式

 エレニウム95式。

 四基同調技術により従来の魔導宝珠では出せない性能を誇る魔導宝珠。

 だが、実際のところは開発は難航していた。

 そう、今日もターニャはこの気難しい魔導宝珠を空中で試験していた。

 少しでも集中を見出せば辺りに魔導宝珠からの電撃が飛び交い周囲のあらゆるものを破壊する。

 ターニャは何度も転属願いを出しながらもそれは却下されていた。

 今日もターニャは暗い気分で演習場の空を飛ぶ。

 高度1万。

 従来の演習場では演習場の被害が大きいため空中での試験は何度も行われていた。

 30分ほどでターニャの集中力が途切れエレニウム95式が暴走する。

「パラシュート降下する」

 ターニャがそう言うと無線機のところから怒鳴る主任技師がいた。

「デグレチャフ君、またなのかね!」

「お言葉ですが欠陥兵器ではどうにもなりません」

「欠陥兵器といったか!この同調技術がどれほど素晴らしいものか、わからないのかね!」

「お言葉ですが私は実際的な水準を望んでいます」

「ふん。本当はもっと多くの同調技術を望んでいるのだ。それがわからないのか!」

「ドクトル・シュゲール、まずは二基同調からです」

「私の理論に穴はない。デグレチャフ君の集中力に問題がある」

 いつものやり取りに疲弊しながらターニャはパラシュートを開いて降下した。

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