第2話存在X

「全く嘆かわしい」

 気がつくとヨーロッパ風の庭園に立っていた。

 穏やかな陽光と風が体を包み込む。

「嘆かわしい、なぜ、人は悟らないのか?」

「誰ですか?あなたは?」

「言うなれば創造主だ」

(創造主、いやありえない。なぜ、こんな嘘を?冗談か?)

「くだらないことを考えているな」

「驚いた、悪魔がいるとは!」

「悪魔だと?」

「心を読めるのは神か、悪魔。だが、神がこんな理不尽を認めるわけがない」

「ホームから突き落とされたことか?」

「そうだ」

「なぜ、お前は悟らない?このままでは涅槃に至れないお前の魂は輪廻させるしかない」

「ならば、そうしてください」

 数秒の間が空いた後、創造主を名乗る存在Xが言う。

「なぜ、お前は悟らない。十戒を定めたろうが?」

(全員をアブラハムの信者だと思わないでいただきたい)

「それに私は科学技術の発達した世に生まれ育ち、世界にも稀に見る道徳心を備えた平和な社会で暮らし、社会的にも優位なサラリマーンなので十戒や悟りを必要としていません」

「ならば、それが逆転した世界ならばお前も悟るのだな」

「魔法や魔導でもある世界でしょうか?私はそこに生まれたくはありませんな」

「決まりだ」

「戦争と魔法がある世界で科学技術と文明が未発達の世で戦争によって追い詰められるが良い」

 存在Xがそうつぶやくと突然、世界が暗転した。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る