第388話 のんびり、ごまたん

ひためぐりバスは、交差点を右折して

久大本線の築堤をくぐると

緑深い庭園との前の広い通りへ出る。


パティは「あ、ここが・・・なんだっけ。昔の学校。降りる?」

うろおぼえなので、名前、忘れてて(^^;


友里恵は「学校はいいよ。もうたくさん」思い出すだけで嫌、と言う顔(笑)。



由香「まあ、観光名所と歴史・・・なんて。合わないな。友里恵は。

食い物か見世物だろ」


パティは「じゃ、豆田町で降りよっか」と・・・。


道が狭くなって、クランクになってたり。

ふるーい街並み。



友里恵は、押しボタンを押す。


♪ぴんぽーん♪。



由香は「子供の頃、これ押すのが楽しくて」



友里恵「そうそう」




ふるーい街並み、と言っても・・・相当古い。

木造みたい。



友里恵「縄文時代かなあ」


由香「そんなに古くないだろ、いくらなんでも」


パティは「竪穴式とか」


友里恵「どこどこ?」



パティ「ないよ」



友里恵「なーんだ」



運転手さんも面白そう(^^)。停留所に着く。


ゆーっくり。左に寄せて。

ドア・スイッチを手前に引く。



ツー、と電子ブザーが鳴って。

中扉が折り戸で、開く。



ぷしゅー・・・・。空気シリンダーのエアが抜ける。



友里恵たちは一日券を見せて「はい!」



運転手さんは「はい、ありがと」にこにこ。



パティは「けっこう、にぎやかだねー。金曜なのに」と、あたりを見回して。

酒屋さん、薬やさん。お米屋さん。

ふつうのお店だけど、建物が古い。



友里恵は、一日乗車券を見て「一日券って、なんかスキーみたいだ」



由香「ああ、行ったっけね。高校の時・・・・沼尻だっけ」




パティは「沼尻って、会津ですね」



友里恵「そうそう。なんでこんな遠くに来るんだろって思ったけど。

信州あたりでいいのに」



由香「ナゾだよね」




パティは「むかーし、軽便鉄道が走ってたとか・・・。」



友里恵「そーなんだあ」



由香「物知りだね、パティ」



友里恵「物尻パティ」



由香「字、違うぞ。それだとなんか、Hなおばさんみたいじゃん」



友里恵「ハハハ。あ、なんか焼いてるー。」



路地に入ると、ただの住宅街で

そこのガレージで、キャンプみたいに炭を起こして

金網を載せて。


おさかなを焼いている。




友里恵は「おいしそー」と、ケムリに誘われて。


由香は「犬かい」


友里恵「ネコ派だってば」



焼いてるおじさんは「あー、おじょーちゃん。食べな」



友里恵「鮎かな?」



おじさん「そうそう、四万十の」



友里恵「そこの川で釣ったのかと思った」


おじさん「鮎採れるからなあ。でも、ほとんど四万十だよ」



友里恵「なーんだぁ、インチキか」


おじさん「ハハハ。そうそう。まあ、食べていきな。どうせ、余ったらネコにやるしかないし」



パティは「いいもん食べてるなー、ここのにゃんこ」




向うのほうで待っている(笑)。


友里恵は「じゃーいただきマース」


おじさん「おお、酒もあるぞ」おじさんも一杯やっている。


この辺りは酒蔵もあるので・・・・。



友里恵は、にゃんこ派(^^)。






そのころ、立野の三芳ららちゃんの家では・・・・。


にゃんこの、ごまたん。



暑くなってきて・・・・。


すずしいとこを探して・・・・。

のた、のた・・・。



廊下をあるいたり。台所。



お風呂場。



タイルのとこ。




とこ、とこ。



ころん。



タイルに、おなかをつけて。



すずしそう・・・・・。




平らに、のびてて。




目をつむって。



しずかに、おひるね・・・・・(^^)。




「ふにゃ」・・・・。







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