第349話 わがまま金曜日

友里恵は、4階の回廊を歩くと

ドアノブに、何か掛けてあるのに気づく。


由香は「ああ、あれは・・・なんだ?」

読んでみると・・・「起こさないで下さい」

お掃除をしなくていい、と言うことらしい。



友里恵「へー。お掃除してもらえるのか、いいなぁ」



由香「部屋に、臭いパンツがあったりしたらみっともないけど」


友里恵「ハハハ。洗ったよん」


由香「でもさー、風呂場に干してあったら見られちゃうじゃん」



友里恵「あんたのフンドシなんて見ないよん」



由香「誰のフンドシかわかんないじゃん」



友里恵「そりゃ、確かに・・・・。お掃除はおばさんだから、かえってウケるんじゃない?

ああ、たくましいもっこりさん、すりすり」



すりすりのポーズ。



由香「みんながいないと、急にエロ全開になるなぁ」



友里恵は「まあ・・・・みんな若いし、お嬢さんだから。

そういうのってかわいそーじゃん。コトバ責めみたいで」



由香「えーか、えーのんかー、さいこーか」


友里恵「どーこにいれてほしいんか、由香ちゃん、ひっひっひ」


由香「ケツのアナ」




友里恵「そーいう事言う、恥じらいのない、オマエには効かないコトバ責め」



由香「ハハハ」




友里恵「恥らってみたいなぁ」



由香「ムリムリ」



友里恵「どこに捨ててきたんだろねー。」



由香「さあ、住んでるとこが悪かった」


友里恵「いえてる」


ハハハ、とふたり・・・・お部屋に帰って。


お出かけのしたく・・・。



友里恵は、リュックサックを取り出して。


「♪りゅっくさっく、りゅっくさっく♪」と、ヘンな歌を歌いだして。



由香「ミュージシャンかいな」


友里恵は「きょうは、これだけでいいね」



由香「うん。トロッコ列車ってどんなんだろね」







407では、愛紗が時刻表を見ながら


「えっと、日田駅に着いてから・・・巡回バスで豆田町、ビール園・・回れるかな」



楽しそう。


菜由は笑顔で「あんたは、いつでも来れるじゃん。庄内駅に勤めるなら」



愛紗は「そうだけど・・・・そうなれば、みんなで旅出来るのは最後」


菜由は「そっか・・・そう考えればね。でも、いつかまた会えるよ。

友里恵も、まゆまゆちゃんに言ってたし、帰ってくるって」



愛紗は思い出すように「そうなったら・・・菜由は?」



菜由は「あたしは・・・石川次第だけど、こっちに帰りたいって思ってる。

子供をね、育てるんなら、こういうとこの方が」




愛紗は「おかーさんの意見だなぁ、ほんと」







406の、ともちゃんと、さかまゆちゃんは

乗務の準備。


手荷物を片付けて。

髪を整えて。

お顔を作って(笑)




ほとんどノーメークに近いけど、でも、一応、なんか塗ってある(笑)。



それも、身だしなみだと言う・・・・風習。



「女って面倒だ」と、ともちゃん。



さかまゆちゃんは「まあ、ほとんど塗ってないけど・・・・化粧道具も国鉄支給だと

いいけど」



実際、物資部で買うと安いので、ほぼ支給品(^^)。



ともちゃんは「男で塗ってる人いないね。なんだっけ、ロックの人」




さかまゆちゃんは「なんか、いたねー。でも、なんとなく・・・ヘン」



ともちゃんは「でも、これ、塗らないとさー、なんか制服着ると似合わないかも」



ヘンなもんね、と・・・・ふたり笑って。


制服のズボンと、シャツを着て。

上着は着ないで。



ここはKKRなので、国鉄職員も多いから

制服でも別に変じゃないけど、

それ着てると、乗務じゃなくても

客扱い(笑)


になっちゃうし。








405のパティは、おやすみなので、のーんびり。


お茶飲んで。


「あー、いい天気だー」と。


由布岳を眺めていたり。



部屋に、お掃除のおばさんが


♪ぴんぽん♪



「はーい」





「お掃除ですけどー」と。



パティは「あ、いーですぅ。」



お掃除のおばさんは「じゃ、浴衣とタオルと、御菓子。お茶とハブラシ。」



と、取替えてくれて。




パティは「ありがとー」と、にこにこ。



ふと、思う。


「あたし、家に帰らないでなんでここにいるの?」(笑)。


すぐそこがお家なのに。

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