第344話 じゃ、駅でね

さかまゆちゃんと、ともちゃんが

エレベータから降りてきた。


友里恵は「あれー?ごはんまだだった?」



ともちゃんは「うん。きょう遅いし」


さかまゆちゃんも、うんうん。「のんびりね。」


パティは「理沙ちゃんね、ゆふいんの森に乗らないんだって」


ともちゃん「あ、そうなんだ。」


友里恵は「それでね、トロッコ列車に乗るから、行こうかなって」



さかまゆちゃんは「そうですかー。わたしたちは仕事だから。また今度ね」



ともちゃんは「いつか、またこんど」




由香は「いいね、その感じ。」



友里恵は「いつ来るんだろうねー、こんど。」


さかまゆちゃんは「CAだったらすぐ入れると思うけど・・・管理局採用で」




友里恵は「ああ、そういえば・・・指宿で、局長さんがそんなこと言ってたっけ」


由香「国鉄にいらっしゃいって。区長さんだっけ、あれ」



ともちゃん「まー。同じ職場になっても、一緒になることそんなにないし、ねぇ。」

さかまゆちゃん「そうそう。わたしたちもほんとに、ひさしぶりだもん。一緒になるの。

熊本区なのに、大分で終わりって、あんまりないの。

それも、ふたり一緒って」



友里恵は「そこらへんは、バスガイドの方が融通効くね。おんなじ営業所だし。」


由香「そだね。仲のいい人同士を同じ仕事に組むのってよくあるね」



パティは「それじゃ、きょうはほんとに偶然だったんだ」



さかまゆちゃん「そうですね。このあと、わたしたちも博多に着いたら

ばらばら・・・・じゃないかな、たぶん」


1列車にCAふたりって、観光列車がほとんどだから。



それぞれ、ごはんを食べながら。



さかまゆちゃんは、納豆とたまごを。お椀で混ぜて。

大根おろし、焼き海苔。ついでにあおさも入れたりして。


「お城納豆がいいな」と言ってたけど

大分なので「みどり納豆」だった(^^)。



ともちゃんは、ベーコンエッグを自分で作って。


目玉焼きホットプレートで。

でもごはんだったり。




レストランの方から、愛紗と菜由が出てきた。


「ああ、みんな一緒だったの」と、愛紗。

表情も、声も明るい。



友里恵は「そー。きょうで、熊本組とお別れだから」



菜由は「熊本組かいな」



由香は「なんか、ヤのつく自由業みたい」



友里恵「ヤクルトおばさん?」



パティは「それもあったか」



菜由は「ここんとこ、ヤーさまって言うらしい」



友里恵は、顔真似。ぼわー、とした青年が、ゆっくり。



パティは「なんだっけ、それー」



友里恵「様様様様」



由香「ヨンさま」



ともちゃん「なつかしいね」




理沙は、戻ってきて「ああ、みんな、おそろい」



友里恵は「昨日とおんなじみたい」





パティは「ほんと」



プラネタリー・ラウンジは、朝ごはんの時間がそろそろ、終わり。


早めにチェックアウトする人たちが、フロントに来るようになった。



理沙は「9時か・・あたし、お部屋行ってるね。」


友里恵「うん、何時頃行く?駅。」


理沙「そだね。わたしは・・・11時半くらいでいいんだけど。」


ともちゃんは「私達は11時かな」



友里恵は「そっか。じゃ、駅で会おう!。あたしらは、遊びながら駅に行くから。

ごはん食べたら」




由香は「まだ食うのか?」



みんな、楽しそうに笑った・・・最後の、ひととき。




友里恵は、すこし淋しそうな笑顔。

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