第319話 ももちゃんのおみやげ

友里絵は戻ってきて、にこにこ「へっへー」と、ビニール袋をぶら下げて。


由香は「なにそれ?松茸か」


友里絵は首振って。「ももちゃんのごはん」


パティは「あー、わんこのももちゃん」と、にこにこ。

紺色の羽織に、ブロンドの髪が掛かって、きれい。


菜由は「なんか、お肉かな」


友里絵は「うん。松茸も食べたよ。んでねー、ついでに

「なんか、お肉の切れ端し、ないですか」

って」


菜由は「0円食堂かい」


みんな、ハハハ、と笑う。



友里絵は「あ、そういえば・・・・・アレ、どうなったかなぁ」


由香は「アレってなんだよ・・・あ、アレか」



アレ、だけで解る、相方さん(^^)。



ともちゃんは「アレってなーに?」


友里絵は「いいの、あとでー」


菜由は「なに?気になるー」


友里絵は「じゃ、言うよ。池田湖の・・・」


愛紗は「あ、あれ・・・か」(^^;



ともちゃん「なに?なに?---。」


友里絵は「うん、池田湖でね、あたしが砂浜掘ったら、何か出てきて。

「イッシーちゃんの骨じゃないか」って。


大学で調べてくれてるんだって」



さかまゆちゃんは「すごい発見ですね」



パティは「わんわんみたい」と、にこにこ。



菜由は「やっぱ、イヌ科だよ、友里絵」



友里絵は「ネコ派なんだけどー」



ハッシュド・ビーフふうなんだけど、お肉がブロックで。

面白い。

とろーり、煮えてて。



愛紗は、それでもナイフで切って。

フォークで、さくっ。


友里絵は、そのまんまフォークで突き刺して。

がばっ。


ぱくり。


「んー、おいひー」



パティは「本格的な、感じ」と。スプーンで、ソースを掬って。




ともちゃんは「いろいろ出てきて楽しいですね、由布院」


さかまゆちゃん「今度も、ここに泊まろうかなー、なんて。ふふ。」



友里絵は「いいなー、そういうお仕事」



ともちゃんは「でも、いつもは乗務員宿泊所なんです。今日は特別」


菜由は「宿泊所だと無料?」


さかまゆちゃん「ハイ。ふつうのホテルだと、朝早くとか出られないし。

今回はいいダイヤに当たって。明日が10時半なんて」

サラダのリーフレタスをちょこっと。


テーブルには、キャンドルが揺れていて。

少し、照明は低め。





ともちゃんは「滅多にないですねー。」

ハッシュド・ビーフに入っていたニンジンを、フォークで挿して。

ぱくっ。



愛紗は「そうなんだー。」



友里絵は「あれ?11時半でしょ」



さかまゆちゃんは「はい。出発前にいろいろ・・・点呼とかありますし。」



由香は「なーるほど。ガイドとおんなじだ」



友里絵は「じゃ、明日はあたしらも駅、行こう!一緒に」



さかまゆちゃんは「どこかにお出かけですか?」



友里絵は「んー、決めてない」


由香は、カクッ。「そんなことだろうと思った」



パティは「インスピレーション」


友里絵は「お、英語」




パティは「エイゴ、ワカリマセーン」と、ブロンド、青い瞳で言うと

なんか、ユニーク。



みんな、笑う。





愛紗は「女子野球部って、華やかそう」



パティは「ハイ。楽しかった」



友里絵は「ドリームボール!」



菜由「なつかしいなぁ」




そうこうしているうちに、つぎのお料理。

鮑のクリーム煮。



食べ過ぎないように、と・・・どれも小さめに作ってある。



友里絵は「よく考えてるなぁ、これ・・・中華だっけ」



ともちゃんは「ハイ。たしか・・・ダイニングカーでも出ていますね。

ななつ星の」



友里絵「同じかなぁ」




さかまゆちゃんは「同じ・・なのかしら。似てますね。そういえば」


青梗菜みたいな、青みが添えてある。


とろーり、クリームソース。




鮑は、さっくりとナイフが入るくらい

よく煮えている。


ともちゃんは「やわらかーい」と。にこにこ。



愛紗も「お箸で切れるね、これ」


菜由は「中華だもんね、そういえば」



友里絵は「これさー、生は硬いもんね。」


由香「そうそう」


友里絵「出っ歯のおじさんがね、ガブっ、て噛み付いて

前歯が折れちゃったんだって」


由香「友里絵だろ、それ」



みんな、ハハハ。と、笑う。


友里絵は「あるよ、歯」と、見せて。


パティは「ほんと。綺麗な歯」


友里絵「タバコ吸わないしー」


由香は「歯は丈夫だな」



友里絵「何がいいたい」


由香「別に」



愛紗も、くすっ、と笑う。


鮑のクリーム煮って、お皿で頂くと

なんか、洋食みたいな感じ。





同じ頃。

熊本の、タワーマンション7F、自宅から・・・

恵は「なんか食うかな」と・・・。


外に出て。



「と・・・・言っても、一人でレストランと言うのもねぇ」


なんとなく、アレだから。


駅市場に行って、出来てるお惣菜を買って。


薩摩芋と、人参と。拍子木に切ってある、天ぷら。

とか。


じゃこ天。とか。


お刺身、とか。



「なーんか、おっさん風だなぁ」とか言いながら(^^)。


お買い物して、やっぱ自宅へ帰って「メシ炊いて、食おう」



お気楽なひとり暮らしは・・・・やめられない、止まらない。


かっぱえびせんかいな(^^;



もう、暗い夜道だけど


女ドラゴン、恵は


怖いものはない(^^)アチョ!





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