第296話 ごまたん

同じ頃・・・・熊本高校では、6時間目の授業が終わって。




お勉強から解放された、坂倉奈緒美ちゃんは




「さて!」と、ショルダーにしているかばんを持って。




バレーの練習に、と。




椅子から立つ。




すくっ、と。


お姉ちゃんに似て、結構大柄だ。ただ、すらり、大正ガールふうの


お姉ちゃん、さかまゆとはちょっと違って


ふんわり。ぽちゃぽちゃ。でも、背丈は高い。




まるいお顔、にこにこ。セシールカット、みたいにしてるので


とってもキュートに見える。








廊下に出る。すっ、すっ、と歩く子。






「あ、ららー」と、手を振る。






廊下の遠くに、三芳ららちゃん。




ららは「あー、なおなおー」と、にこにこ。(^^)。「きょうもバレー行くの?」






なおなおは「うん。ごまちゃん元気?」






ららはにこにこ「げーんきげんき。おなかタプタプだよー。」




なおなおは「あー、さわりたーい!!ごまたんのおなかのかわー」




ららは「かわ、じゃなくて脂肪だよー。でろーん」って、マネしたりして。






なおなおと、ふたりでわらう「きゃはは」(^^)。






なおなおは「こんど、さわらせてー」と、にこにこ。






ららは「うん。ウチ来て?」








楽しい放課後ーーー。

















大分駅6番線ホーム。


友里絵は、かぼすの形をしたベンチに座って。細い脚をぶらぶら。




「♪~あーなーたーにおんなー・・・♪」とか、ヘンな歌を歌いだした(^^)。






由香に「ねえ、女の子の一番大切なものってなんだろ?」






由香は「うーん。愛じゃない?」






友里絵は、吹き出して「ぎゃはは!愛だって。似あわねー!」と、ひっくり返って笑う。






菜由も笑う「真面目な顔して言うからなあ」






由香「受けたナー」(^^)。






菜由は「じゃ、友里絵はなんだと思う?」




友里絵は「おま・・・」


由香があわてて口を塞ぐ「バカ、やめろ!駅だぞ!」






少し離れて男子高校生たち、「なんか、オモシレーナあれ」






友里絵は由香の手を外して「もり」








愛紗はミミをふさいでいたけど「え?」




菜由「おまもり・・・」




愛紗「おまもり」




友里絵「おまもりだよ、ホレ」と、懐に吊るした


帝釈天のお守り。






由香「寅さんかよ、オマエ」と、後ろ頭をひっぱたく。






男子高校生たちは、ハハハ、と笑う「おもしれー」






友里絵は「へへ、受けちゃった」






菜由は「あんたら、やっぱ芸人になった方がいいよ」




愛紗「ホント」






階段から、とことこ。


パティが駆けてきて「ごめーん、お待たせ!」と。




友里絵は、ウエスターン・スタイルみたいなパティのジーンズ姿を見て


「おー、カッコイー」




パティは「へへ」と、にっこりウィンク。






髪を解くと、ブロンドだけにとても華やか。


やわらかなウェーブ。お下げにしてたから、すこしソヴァージュみたいに見える。






ともちゃんは「やっぱ、女優だよ、ホント」と、にこにこ。




ともちゃんも背は高い方だけど、パティの方がおでこひとつくらい高い。


脚も、すらっとしてて。腰のあたりはボリューム、ドン!(^^)。








友里絵は「こりゃー、ワゴン押してたら触るわね、お客さん」(^^)。




パティ「さわったのは友里絵だけ」




友里絵「はっはは」




さかまゆちゃんは「いいなぁ、華やかで」




パティは「さかまゆ、ステキよ、和風で」






さかまゆちゃんは、ほめられてちょっと恥ずかしい。








友里絵は「あ、列車来た」






別府の方から来たのは・・・・特急「ゆふDX」だった。




前がパノラマシートで、二階が運転台。




「船みたいだね」と、由香。






菜由「うん・・。」






愛紗は「長崎に行ってたんだよね、この列車」






菜由「そうなの?」






愛紗は「うん、電車とつないで途中まで走ってたと思う」






友里絵は「詳しいなー、さすがツアコン」








特急「ゆふDX」は、ごー・・・・と、言うエンジン音を響かせて。


排気ブレーキはしゅー・・・・。






機械ブレーキが、きききき・き・・・・。




きゅっ、と、停まる。






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