第247話 この紋所が目に入らぬか!

ネクターを飲んじゃった恵は、何か、香気を発する飲み物を

取り出して。


すこしづつ、ネクターの缶に入れて、飲み始めた。


「恵、さん・・?」静かになったなー、と思ったら。


その香気は、どうも・・・ウィスキーらしい(^^;



検札がやって来て。でも、顔見知りの車掌なので


「あ、ご苦労様です」と。敬礼だけ。



恵は、いい気持。お鼻も赤い。「うーぃっとぉ。真由美ちゃんも、のむーぅ?ホレ」と。

ポケットびんを取り出した(^^;


真由美ちゃんは「わたしはまだ未成年ですから」と。

恵は、真由美ちゃんの隣に来て「いーじゃない、いっしょにのもー。ねぇねぇ。あたしと。ね?




真由美ちゃんは「こういう癖があったとは・・・・と」ニガわらい。ははは。


廊下を歩いていく、暇そうなおじさんが「おー、きれいなお姉ちゃん、飲むか?一緒に」


と、からかう。

すると、恵は立ち上がって「これが目に入らぬか!」


取り出したのは、葵ならぬ菊のご紋の入った「鉄道巡査証」。


おじさんは、にこにこ笑って「どうも、すんずれいしました」と。敬礼して

とことこ。



恵は「はっはっは!正義は勝つのだ!」




・・・正義か?(^^;




と、また、シートに倒れ掛かるように座って。ネクターの缶に残った

カクテル(?)を、飲み始めた。


真由美ちゃんは「んもー、酔っ払いになるとは・・・。」(^^;



恵は「ん、あんたねー。夜の乗務になればいるよ、酔っ払いなんて!

予行演習、予行演習!」






・・・・そうか?(^^;






・・・・楽しい旅である(笑)。





「まいったなー・・・。」と、真由美ちゃんは

自分より大きい酔っ払い(^^;を

支えて、人吉駅に下りた。


球磨川7号は湯前ゆきなので

さっさと降りないと、出発してしまう。



「あー重たい。こら、恵!起きろ!」と、真由美ちゃんは

結構乱暴(笑)。


ベンチに転がして。


駅員を呼びに行った。


駅の事務室に入ったら


「あれ、真由美ちゃん?どしたの?」と、助役さん。


真由美ちゃんは「あのー、酔っ払いを連れてきて。重いんで運んでくれますか?」



助役さんは「酔っ払い?はいよ」と。


とことことこ・・・と。

地下道を潜って。車椅子を持ってきた(^^)。なるほど便利。



助役さんは、車椅子をからからから・・・。「あれ、この人・・・?」と、

恵を見て。



真由美ちゃんは「えへへ。まあ、今は非番なので」


助役さんは「ははは、あるなぁ・・・ストレス」と。


寝ちゃっている恵を車椅子に乗せて、エレベータへ。



「まったくもー。」と、お酒飲むとこうなるとは・・。


しょうがないから、家に電話して。お父さんに来てもらった(笑)。


ぐでんぐでんで、温泉もないだろうし。




お父さんは「お、美人だねぇ」と、寝てる恵を見て。


真由美ちゃんは「シラフなら・・・。」と。ニガわらい。


重たい恵を、よっこらせ、と。

クルマに乗せて。


ふたりかかりでも結構重い。寝てると。



いろいろな休日であった(笑)。






KKR南阿蘇のフロントで、友里絵は「毎日日曜だね」と、にこにこ。

由香は「いまのうちな」


友里絵は「そー言うことを言うな!」と。はたくまね。



愛紗がチェックインを済ませて。「2階、206」と、レリーフのキーホルダーのついた

シリンダー鍵を見せた。




友里絵は、フロントの脇にあるおみやげコーナーを見て

「綺麗な柄」と。藍染、みたいな生地のエプロンを見つけて。


首に掛けて「あなたー。ごはんよー」



由香は「はいはい」おままごとですかー。


友里絵は「ヌードで掛けたらセクシー」


菜由は「やめろって、こういうトコで言うの」


フロントの女の子たちが、くすくす。



友里絵は「面白かった?じゃねー。」と


とととと・・・と。

エプロンを元のとこに掛けて。


「じゃ、いこっか」。にこにこ。


2階なので、友里絵は階段で上がろうとした。


菜由は、フロントのとなりにあるエレベータを使おうとして。


友里絵は「あれ?・・なーゆー・・・・は。エレベータか」


由香も階段で。

愛紗は、菜由がひとりだと淋しいと思って

エレベータを待った。


とんとんとん、と・・。軽い足とりで階段を昇る。

階段は明るくて、ウォームトーン。クリーム色と、うすい桃色。

かわいらしい。


「ファンシーだぁ」と、友里絵。

由香は「そだね」


にこにこ。階段を昇ってきて。

2階、エレベータ・ホールのまん前は

マッサージ椅子が並んでいて「アダルティーだなぁ」と。由香は(^^;


大きなガラス窓の向こうは、鋸岳だ。



「ホントに鋸みたいだ」と、友里絵。

腰を落として、鋸引くマネ。


由香「腰を揺すると、なんかみたいだ」と。



友里絵は「こう?」と・・・股を開いて前後に(^^;



由香は「やーめろって。そういうの。!」と、言ってたら

エレベータが開いて、菜由と愛紗が下りてきて・・・


「なにやってるの?」と、愛紗。


友里絵は「あ、いやいや、体操」


由香は「ラジオ体操第一ぃ~!」


友里絵は、ぴょんぴょん。


菜由は「なんか、自然になるね、アレ」


友里絵は「はっはっは!オロカモノメ」

両手を腰に当てて、仁王立ち。


由香は「デロリンマンか」

笑う。


菜由「なにそれ?」


愛紗は「さ、お部屋いこっか」

にこにこ。・・・デロリンマンって、なんだろ?



菜由は「デロリンマンってなに?」


友里絵は「デロリーンってしてるんでしょ、マンが」


菜由「・・・・・。」


由香は「・・・あ、いいのか。manだもんな」



友里絵は「はっはっはっ。菜由はデロリンマン?」


菜由は「具合はいいらしいよ」


愛紗「・・・・・。」



友里絵「はっはっは!」


由香「月光仮面かい」


友里絵「そういえば、日光仮面はどうしてるかな?」


由香「それで思い出すかなぁ」




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