第216話 天使のめざめ
「・・・・おはようございます・・・・。」
と、真由美ちゃんは、半分眠たそうに。
すこーし、寝乱れた浴衣は
前が緩くなって。
愛らしいふくらみが、ちょっとだけ大人っぽいかな?
髪の毛がもしゃもしゃで、仕草も稚なげで。
19歳だなぁ、なんて。菜由は微笑む「おはようございます。よく眠れた?」
真由美ちゃんは、浴衣の前を直して。「はい。」
友里絵は、まだ寝ている(^^; ぐおー、がおー・・・・とは言わないが。
口を開けて。仰向けになって。
由香は先に目覚めて「ゴミ入れてやっか」(^^;
・・・とは思ったが、かわいそうだから止めた。
愛紗が、半分目睡んだまま・・・・「お・・おぁよう・・・あーあ・・・。」と、
伸びしながら。
5人の中では一番大柄なので、寝巻きも大きいの。
浴衣でなく、部屋着のようなスエットふうのゆるゆるナイトウェアで寝ている。
背丈があるからスリムに見えるけど、案外に女らしい、柔らかな体型。
ナイトウェアから、おなかがちょっと見えていたりして、可愛らしい。
ちょっと茶色っぽい髪も、別に染めている訳でもなく
日陰で見ると普通の黒。
細いだけ、らしい。
起きている時は、左右で無造作に止めているけれど
そこだけ、少女っぽく見える。
愛紗は「あー、良く寝たね。さ!」と・・・・。
バッグから歯ブラシを取り出して。口に咥えて。玄関の脇にある洗面台に向かった。
「女同士だとこういう時にいいわね。気楽で」と、菜由。
友里絵は「男と泊まった事あるの?」
菜由「無いけど。ほら、家族で一緒の部屋でもさ、やっぱりイヤじゃない。
なんとなく。そういうの」
イヤ、と言う表情で言うのが面白い。
友里絵「そっかなぁ・・・パンツ脱ぐわけでもないのに」
と、わかんなーい、と言う顔。
由香「あんたはそーだよね。パンツも脱ぎそうだ」
と、いつものこと、と言う顔。
菜由「幼いんだか無神経なんだか」
と、笑顔。
友里絵は「真由美ちゃんさー、洗面道具持ってる?」
と、バッグをごそごそ。
真由美「いえ、急だったから・・・。」
友里絵は「じゃさ、指宿で貰ったのあげる。あたしは自前のがあるから、はい!」
と、バッグの中から。
と、KKR指宿、と、柄にレリーフされている歯ブラシと
「国鉄共済組合」と、藍色で印刷された白いタオル、ビニール袋に入ったそれを
渡した。
真由美ちゃんは「ありがとうございます。記念になります」
と、にこにこ。
愛紗は「あ、そーだよねー。A寝台に乗るとあるでしょ?タオルと石鹸。
大事に持って帰ったっけ。想い出になるからって。」
と、思い出を語る。宮崎からだと・・・ブルー・トレインの「富士」「彗星」あたりだろうか。
午後、まだ昼下がりと言う時間に宮崎に停車する列車に乗って行くのは
楽しい旅行であったのだろう。
微笑みを持って、話している。
列車の愛称名が描かれたヘッド・マークとか。JNR,とシンボルが描かれたものとか。
機関車や、列車のイラストのものもあり、見ていて楽しいものだった。
菜由は「A寝台なんて泊まった事ない」
普通の家は、大抵そう・・・・だと思う。
愛紗「わたしは、ホラ、国鉄一家だから」
友里絵は「花吹雪国鉄一家」
菜由は「なんか、ヤの付く団体みたいね」
友里絵「ヤ・・・・?」
由香「あからさまに言うなよ。怖いから」
友里絵「ヤクルトスワローズか!」
由香「そう来たか」(^^;
愛紗「昔は国鉄スワローズだったんだって」
菜由「そうそう。最初は「コンドルだったんだって。強そうだから」
友里絵「それでもいいじゃん」
菜由「でも国鉄混んどるじゃ、いかにも国電みたいだからって。
座ろうず、になったんだって」
友里絵「ホントかなー。」
愛紗「つばめ号ってあったものね。蒸気機関車にも」
真由美ちゃん「聞いた事あります。今、保存されているとか・・聞きますね。」
友里絵「今は新幹線だけど」
真由美ちゃん「はい。時々見かけますね」
愛紗は「来るとき乗ったわ。早いねー。久留米から1時間半くらいだし。鹿児島まで」
真由美ちゃんは「はい。その速さなので・・・ワゴンサービスの仕事も短い時間なのでそうで
す。わたしは、まだ乗務したことないんですけど。」
菜由は「なーるほど・・・2時間かそこらだものね。博多まで。在来より短いかも。」
と・・・各々、身支度をしながらおしゃべり。
楽しい旅のひととき。
それから、これも楽しい朝ごはん。
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