第215話 お城納豆

みんなで、食堂へ・・・。

友里絵と由香、真由美ちゃんは

浴衣に羽織。

菜由は、部屋着ふうのトレーナー上下。


愛紗は・・・おなじみになった、学生時代に使っていたような体操着の上下。


真由美ちゃんは「懐かしいです。そのトレーナー」


友里絵「学年で色違いの」


由香「そうそう」


203号室の鍵を掛けて。ポケットに入れようとしても

体操着だと、後ろポケットしかないから


ちいさなポシェットを持っていく愛紗。


オリーブ・グリーンの生地で、Maxell、とある。


菜由「それ。カセットテープのプレゼントで」


愛紗「そうそう(^^)。カセットについてる、ベルマークの隣に。

集めて送るの」


友里絵「おにーちゃんが持ってたな、それ」


由香「カセット、いっぱい使ったね」




つるつるの廊下を、スリッパですたすた。


オジサマ方は、もう仕事に出かけてしまったらしい。



静かだ。




食堂に入ると、真由美ちゃんが「おばあちゃん、ありがと」


おばあちゃんは、にこにこ「はいよ。じゃ、5人前ね」



今朝のごはんは、普通の和定食。ごはんはおかわり自由で・・・

食堂の、カウンターのところに

大きな白い、ホーローの保温ジャーが置いてある。


炊くのはガスでするようで、少しだけおこげのある辺りが

また美味しそう。




「いっぱい食べてね」と、おばあちゃんは

にこにこ。白い三角巾、割烹着。

だけど、和服ではない。


学校給食のおばさんみたいな感じ。




菜由は「小学校の頃さ、給食室から、11時頃になるといい匂いがして」


と、6人掛けのテーブルの奥の椅子に掛けた。


愛紗は、その向かいに掛けて

「そうそう。きょうはカレーかな、とか・・・。」


友里絵は「懐かしいよね。渡り廊下の真ん中にあって。だいたい。

平屋のトタン屋根で」




由香「そうだったね」


真由美ちゃんは「同じ小学校ですか?」


友里絵「そう。ずーっと」


由香「仕事まで同じだとは」



友里絵「思わなかったけど」



真由美ちゃん「いいなぁ、そういうお友達・・・・。」



友里絵「そーかもしんないね。真由美ちゃんは・・・あ、そっか。国鉄行った

女の子って少ないんだ」



真由美ちゃん「ハイ。男の子ばっかで」




お膳に並んでいるのは・・・・

焼き海苔、これは有明。

こんぶの佃煮。

野菜のサラダ、たっぷり。


お城納豆。くまモンのマークのプラスティック・フィルムが回してある。


お味噌汁・・も、おかわり自由。


干物を焼いたもの。


ダシ巻きたまご。


オレンジジュース。コーヒーもある。


愛紗は「お城納豆、なつかしいなあ」



真由美ちゃんは「宮崎では違うブランドですね」



愛紗は「そうそう。なんだっけ・・・な」



菜由「味は似てるけど」




友里絵「これ、フィルムを持って帰ろう」



由香「思い出だもんね」


と。お味噌汁をちょっと。それからごはん。



「まーた、お母さんに怒られるけど。

「こんなゴミ持って帰ってきて」

って」

と、友里絵。


佃煮をちょこっと。ご飯と一緒に。


菜由は「知らない人から見れば、ゴミだよね。たしかに」



フレンチ・ドレッシングの掛かったレタスを、お箸でつまんで。

「これは、洋食だけどお箸の方が楽」

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