第195話 IronMan

由香は「友里絵さ、さっき「退職するまでにディズニーランドへ行く」って言ってたけど

辞めるつもり?」


と、ちょっとまじめに。


友里絵は「なんだよ、人をどついといて・・・つもりって言うか、いつかはそうなるじゃん。

女だし。いつまではできないもん。それにさーぁ・・・・。

九州に引っ越すんなら、辞めるじゃん」



真由美ちゃんも「そうですね、結婚したら退職・・・するのでしょうね。わたしも。」



菜由は「わたしもそうだったけど(^^)。」



愛紗「ひとりだけ」


友里絵「使用済み」



菜由「使用済」


真由美ちゃんは「使用済みなんて」と、きまり悪そうに笑う。

とっても可愛い。



かたかたん、かたかたん・・・と、下りのディーゼル・カーは

軽快に走る。


クラッチを切ってしまえば、転がるだけだ。

電車よりも軽快。


そして、駅が近づくとクラッチをつないでエンジン・ブレーキから

排気ブレーキ。


ディーゼル・エンジンなので、排気ブレーキを使わないと

ピストンが軽く動いてしまうので。




だんだん、里が近づいてくると

人が増えてきたので・・・・


女子会はここまで(^^)。




♪ぴんぽん♪


ーー次は、終点、人吉ですーーー。


と、優しい女声でアナウンス。




「下りは早いね」と、友里絵。


「ホントだ」と、由香。


「いい路線だったね」と、菜由。


愛紗は「ひと駅づつ、降りてみたいね」



真由美ちゃんは「のんびりできますね。家に居ると、どうしても働いちゃうし」



友里絵「そーだよねぇ。なんか、お母さんがばたばたしてるし。落ち着かない。

愛紗はいいなぁ、ひとり暮らしで」



愛紗は「うん。気楽」


真由美ちゃんは「いいですね、憧れちゃうな」



菜由は「真由美ちゃんは可愛いから、すぐ売れちゃうよ」



友里絵「あたしは可愛くないもーん」



菜由「そんなこと言ってないよ」



みんな、笑う。



すーっ、と。人吉駅の構内に近づいて。


クラッチをつないで。

エンジンの音が、がらがらがら・・・・から、ごーん、と。

すこし減速して、排気ブレーキが掛かると

ぐっ、と減速。


停止直前に、キーっ、と機械ブレーキの音がして。


きゅっ、と停まる。





ドアが、がらり、と開く。




空気が、なんとなく清々しく。



「着いたっと。」と、友里絵。



「お茶しよっか」と、由香。



菜由は「宿は?」




愛紗は「3時からだから、ぶらぶら見物しながら歩いていけば」



まだ2時すぎだ。


友里絵「そだね。ちょっとお茶とか」


改札で、愛紗が4人の周遊券を渡して

それぞれ、改札掛に見せて。


真由美ちゃんは、顔パス(^^)


友里絵は「おー。VIP」



真由美ちゃんは「いえいえ、そんな。小さい駅ですし」





友里絵は「そうそう。新人のうちだと、タダでバスに乗ろうとすると

『あんたダレ』


って言われたりして。」



由香「ははは、ありそう。バスって、一杯居るからねー。私服だとわかんないね。」



真由美ちゃん「何人くらいですか?」



菜由「たしか・・・150人くらい」



愛紗「そんなに?!」




真由美ちゃんはびっくり「あ、交番ですものね」




由香「観光とか、嘱託とか、一杯いるんだって。ダイヤが空かないように。

朝寝坊したりするし。」



真由美ちゃん「あー、ありますね。鉄道でも」



愛紗「あるの?」



真由美ちゃんは、こっくり、こっくり。


「列車は、不寝番が居ますから起こしに行きますね。

乗務員宿泊所に寝ていますし。」




友里絵「なーるほど。ガイドと一緒だ」




真由美ちゃんは「でも、私達は自宅ですから、寝過ごすと終わりですね(^^)。

わたしは無いですけれど・・・。」




友里絵は「そうそう!タマちゃんは寝過ごしゼロだって。鉄人だって言ってたね。

野田さんが」



真由美「鉄人」と、くすくす笑う。



友里絵「28号~♪」


由香は、ははは、と笑って「あまりにも古い」



友里絵「わたーしのぉ~記憶がーたしかならー」



由香「料理の鉄人か」



友里絵は、バットで空振りの仕草。おでこなでて



由香「鉄人、衣笠、彼は、アートネーチャーだ」



友里絵は、駆け出す。「ダッシュ!」


由香「それは鉄腕」


真由美ちゃん「面白いですね」と、ころころ笑う。


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