第153話 Iron Maiden

「はー、ここは眼鏡やさんかいな」友里絵は、眼鏡のつるを持つポーズ。


由香は「へい、おーきに。」


「どつきサングラス、ちゅーの、見せてくれんかいな」と、友里絵。眼鏡を外すふり。



「へいへい。こちらにおますー。これなんかいかがでっしゃろ」と、由香。サングラスを渡すふり





友里絵は、それを受け取って「んー。なんかようけ見えんがのー。」



由香は、友里絵のうしろあたまをはたく。(^^)



友里絵「なにすんねん!」



由香「へい、そやからドツキさんぐらすいいまんねん」



友里絵「ありがとございましたー。」

由香「ありがとございましたー。」



菜由「ははは、面白い!よく、とっさに出来るね」

愛紗「アドリブでしょ?」


由香「そりゃなんつっても、長年の相方」



友里絵「誰が相方やねん」



菜由「ガイドにしとくの勿体無いよ。コント劇団にでも入れば?」



友里絵「麻里恵さんとこ?あーいいかも。専務さんのお墨付きだと」



由香「現実感、あーるねー。美術館で漫才やるのか」



友里絵「それはないって。」



わはは、と、みんな笑う。




「コント、友里絵とユッカ」友里絵は笑って。


「なんでユッカなんだよ」と、由香。



「なんか語呂が悪いもん」と友里絵。



「にしてもねぇ。ニッカポッカみたいじゃん。」と由香。



「あんたはパッカ」と、由香。



友里絵「お馬はぱかぱか」



由香「ゆりえはぱこぱこ」



友里絵「あぶねーなーそれ。TVじゃピー。」



由香「お豆はピー。」


友里絵「おならはぷー。」


由香「きたねーなぁ、もう。中卒女め」


友里絵「ユカみたいに屁なんていわないだけ上品だよ、ったく」



「んなこと言ったかいな」と、由香。




「つづくねー。ごはんいこ?」と、菜由。








由香「あー、ドン引き2号?」



友里絵「あたしはパーマン2号」


由香「わかってんじゃん。あんたはパー」


友里絵「マン2号」



由香「そこで区切るな!みんな、どっきりするだろ!」



わはは、と、みんなで笑う。



みんなで、305号室から出て、廊下を歩きながら・・・。





大きな硝子窓は、夕暮れ。きょうも綺麗な夕焼け。



「あー、いいなー。旅って。」と、友里絵。


「ほんと」愛紗。



菜由「愛紗はあんまり話さないね」



愛紗「聞いてる方が面白いもの」




友里絵「そっか。今度は3人でやろっか」


愛紗「ドツキ漫才はイヤ」



由香「そんなことしないって。アレは友里絵だから」



友里絵「叩いていーってのかいな」



由香「そうじゃないけどさーぁ、叩き慣れてないと、痛いじゃん」




エレベータのボタンを押して、待ちながら。



「叩き慣れるなよ」と、友里絵。



由香「鉄は熱いうちに打て!」



友里絵「鉄かい、あたしは」


由香「鉄の女」


友里絵「あたしは乙女。」



由香「だれがオトメやん。それなら鉄の処女」



友里絵「そういうとなんかやーらしー。」




愛紗「アイアン・メイデンでしょ。」



由香「おーさすが。高学歴芸人」


友里絵「誰が芸人やねん」


愛紗「高卒だってば」



ハハハ、と、笑いながら1階へ。



美味しそうなご飯の香りがする。



「チーズもあるなー。」と、友里絵。



「鼻いいなあ。やっぱイヌ科だろ。」と、由香。


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