第543話 心

naritaexpressが、東京駅に着く。

一番、北の地下ホームなので

神様たちは、ちょっと残念そうだ



「どこの町だか、さっぱりわからないな」


「立派な駅だと聴いたんじゃが」



などと。



下りて見ると、混雑するのは

神様でも同じだ(笑)。



エスカレーターを、片側開けているので

いかにも、傲慢な人達の

虚栄心をそそるかのように見える空間である。




そこを、階段のように上っていく者どもは

どうも、攻撃性障害があるような

顔つきに見える。



「まず、心の病を直すべきなんだろう」と

ドイツの神様は、薬学的に彼等の癒そうと

考える。


心の回路のなかは論理的なので、当然だが

行動に至る回路は、弁別である。



それを司るのは、ケミカル、薬である。




心の回路を直接制御し、興奮に至っている、つまり


エスカレーターでは歩かない、と言う決まりを

破る事で快感に至っているその思考、根源にあるのは


過去にあった被虐からの痛みを覚えているその

記憶回路を遮断し、記憶を消去する。




そうすると、人間的な感覚が蘇る。



ついさっきまで、その痛みを忘れるために

現実から離れよう、感じる事を避けようとしていた

心が、動作を始める。




文学的に、心ない人達、なんて言われる一部には

こんな人もいる。

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