第523話 天罰

ふたりの神様は、そのエスカレーターに

並んで乗った。


アメリカンの神様は、それなりに主張も強い。



わざと、空いている方に乗った。



それで言う。「メールにあった、攻撃性を弱める方法、それで上手く行くなら、いいかもしれないな」と、言いかけた時


スーツケースを転がして来た年配男、サラリーマンふうの眼鏡の尖った男が


事もあろうに、神様を後ろから無言で押す。




いい歳をして、と誰でも思う。


意外に若者より年配に多いのだが(笑)。



神様は、ひらりと自らを無にした。




空中に消えたのだが、ほんの一瞬。




眼鏡男は、スーツケースごと

エスカレーターの下に転落した(笑)




どんがらがっしゃん。





何が起きたか本人はわからぬまま、気絶した(笑)。







「やるねぇ」と、神様が言うと


アメリカンの神様は、にやりと笑って親指を立てた。




「少し、痛い目にあった方がいいのさ、ああいうのは」と言って笑った。





自分で落ちたんだから、暴力でもなんでもない。




ルールの上でも、エスカレーターは歩いていけない、と

書いてあるのに


ふつうに乗ってる人々を、ルール違反するものが



強迫するなんてのは、自由の国アメリカには

居られないよ、撃たれて終わりさ、と

アメリカンの神様は、そう言った。Winkして。(笑)。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る