第508話 We Will

神様にとって、とてもノイジーなロックは


しかし、悲しみにあふれているようなサウンドだった。



もちろん、その悲しみと言うのは

比喩的なものだ。



ひとの感性にとって、マイナーな音階と言うのは

実は、泣き声のハーモニクスの模倣だったりする。







真空管ギターアンプの

歪み、そのものがギターの音で

それ自体のハーモニクスが、そもそも真空中で

電子が飛び去る、その抑制からの逸脱が


つまり、宇宙の爆発に近いからである。




言ってみればそれは、電子と言う存在が

自由を得た瞬間。


真空と言うフィールドで、抑制を解かれたから。









でも、神様のように生理のない存在にとっては

抑制もないのでノイジーなだけだ。






それ自体がつまらない、と

神様が思ったかどうかは知らな(笑)。

い。





ちょうどいいタイミングで、リサは歌い出す。




カノジョは、天国への階段を得た、



そんな歌詞は、ちょっと悲しすぎる。




けれども、悩み事のあるリサにとっては感傷に


値する歌詞で

共感に、リサは涙する。



もちろん、夢の中、だけれども。


解放するには十分だ。

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