第503話 CallBank
おじいちゃんは、微笑みながらリサに言う。
「石炭は、大昔は森だったのは知ってるね」
リサはうなづく。
おじいちゃんは、更に「本当だったら、土に帰っているはずの森が、今、ようやく燃えて
灰になって土に帰るのさ。
」
リサは、連想した。
悩み、なんてものもずっと心に残って
いつか燃えるのかな、なんて。
自分は、そういうものを
燃やして生きて行けば、悩まずに済むな。
そんなふたりを、神様は傍観して思う。
空から(笑)。
リサの悩みは、ひょっとして
おじいちゃんの事が好きで、おじいちゃんの
望みを叶えたくて。
それが、国同士の取引みたいな
妙な事のせいで、叶わなくなったら
どうしよう?
そういう、どうしようもない悩みだった。
リサの生真面目なところも、おじいちゃん譲りだから。
それも、ひょっとして石炭みたいに
長い時間を経て受け継いだエネルギーの
ようなものだったりもするのかな。
神様は、思う。
「やっぱり、この人達の幸せを守らないとのぉ」
国際会議するけれど。
よその国から、お金儲けに来て
この国の人達の幸せを奪うのは、やっぱり変だと
そう思う。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます