第503話 CallBank

おじいちゃんは、微笑みながらリサに言う。


「石炭は、大昔は森だったのは知ってるね」



リサはうなづく。




おじいちゃんは、更に「本当だったら、土に帰っているはずの森が、今、ようやく燃えて


灰になって土に帰るのさ。




リサは、連想した。


悩み、なんてものもずっと心に残って

いつか燃えるのかな、なんて。




自分は、そういうものを

燃やして生きて行けば、悩まずに済むな。










そんなふたりを、神様は傍観して思う。





空から(笑)。





リサの悩みは、ひょっとして

おじいちゃんの事が好きで、おじいちゃんの

望みを叶えたくて。


それが、国同士の取引みたいな

妙な事のせいで、叶わなくなったら

どうしよう?





そういう、どうしようもない悩みだった。





リサの生真面目なところも、おじいちゃん譲りだから。




それも、ひょっとして石炭みたいに

長い時間を経て受け継いだエネルギーの

ようなものだったりもするのかな。





神様は、思う。




「やっぱり、この人達の幸せを守らないとのぉ」







国際会議するけれど。




よその国から、お金儲けに来て

この国の人達の幸せを奪うのは、やっぱり変だと



そう思う。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る